2020年 静岡県内企業 夏のボーナス予想
夏のボーナス予想 民間1人当たり支給額は前年比△9.4%<参考値>
静岡経済研究所(理事長 一杉逸朗)では、静岡県内企業の今夏のボーナス支給額を試算しましたので、その概要をご案内します。
1.民間1人当たり支給額 343,200円(前年同期比△9.4%)<参考値>
・ボーナス支給額は各社独自の算定方法で決定される。昨年10月の消費増税による影響に加えて、新型コロナウイルス感染拡大による経済活動の急激な落込みで、リーマン・ショック直後の水準近くまで大幅に減少する見込み(従業員30人以上の2009年夏実績値:400,503円、今回:404,900円)。
・従業員30人以上の企業(△9.2%)、29人以下の企業(△10.0%)とも前年から大幅な減少が見込まれる。なお、本推計は、5月20日時点で入手可能な統計指標(概ね3月分まで)をもとに、新型コロナウイルス感染拡大の影響を加味して特別試算しているため参考値としたが、経営者の先行き不安がさらに膨らめば、減少幅はさらに下振れする懸念がある。
2.△9.4%の減少が予想される理由
(1)県内企業の半数が「夏の賞与引下げ」を検討
当所が今年3?4月に県内企業・事業所を対象に実施したアンケート調査では、回答企業(439社)の49.7%が「夏の賞与の前年比引下げ」を実施する可能性があるとしている。
(2)企業収益の悪化
新型コロナウイルス感染拡大による生産・輸出活動の縮小や外出自粛に伴う個人消費の落込みなどを受けて、2019年度決算が予想より大幅に悪化した上場企業が相次いでいる。
(3)雇用情勢の変調
2020年3月の県内の有効求人倍率(季節調整値)は1.22倍と、コロナ禍発生前の19年12月から△0.25ポイントも低下している。
3.ボーナス支給 総額4,034億円 前年実績額比 △ 10.1
〈推計値の算出方法〉
本推計は、アンケートやヒアリングなどの実態調査に基づくものではなく、ボーナスが支給される静岡県内のすべての民間勤労者(※約117.5万人)を対象として、裏面に示したようなボーナス支給額と相関が高いと考えられる統計指標(鉱工業生産指数、労働生産性指数、有効求人倍率、名目賃金指数、消費者物価指数、新車登録台数など)を参考に、統計的手法に基づいて算出した。したがって、実際の主要企業平均支給額(静岡県夏季一時金要求・妥結速報)とは異なる。
また今回は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により急速に悪化する経済情勢を踏まえ、過去の景気急落時を加味した指数を組み込んで特別に推計した。
※毎月勤労統計調査等をもとに推計
【本件のお問い合わせ先】: 担当 中村 建太