理事長挨拶
静岡経済研究所は、昭和38年3月、静岡銀行の創立20周年記念事業の一環として創設され、60年余の歴史を積み重ねてきております。
当研究所は「静岡県内の経済・産業の実証的な調査研究を行い、地域経済の健全な発展に資すること」を設立の目的とし、一貫して地域に密着した経済、産業、経営に関する情報の提供に努めてまいりました。現在、私どもの活動を支えて頂いている会員数は、静岡県内企業を中心に約14,000先を数えるに至っておりますが、これもひとえに皆様方のご支援とご鞭撻の賜物と、心より感謝申し上げます。
トランプ2.0による政治的混乱を含め世界情勢は不安定な状況が続く中、新しい年度を迎えた我が国経済を概観しますと、物価高という下押し要因はありながらも、今年の春闘では大手企業を中心に満額回答が相次ぐなど所得環境に改善がみられ、サービス消費を中心に個人消費は持ち直してきています。また、当所が実施した調査では、静岡県内中堅・中小企業における今年度の設備投資計画額(国内)は前年度比+25.9%と、24年度実績を大幅に上回る見通しであり、まだまだ軋み音を響かせてはいますが、“成長と分配の好循環”の輪は着実に回り始めていると言えるでしょう。
こうした中、当研究所では、2023年度から「地域の未来づくりを支えるシンクタンク~専門性を磨き上げ、持続可能な地域経済の発展に寄与する~」をビジョンに掲げ、第7次中期経営計画(2023~27年度)をスタートさせ、SNSによる情報発信力の強化や、当所が過去に実施した「調査研究リポート検索サービス」の充実等に取り組んでいるところであります。そして、この5月には、「新たな経済フェーズへのシフト~長期停滞からの本格始動へ~」と題した『静岡県経済白書2025』の発刊を予定しておりますので、こちらもご高覧いただけたら幸いです。
先の見通しが難しく環境変化の激しい時代を乗り越えるべく、皆様の経営の一助となるような情報提供に努めてまいりますので、今後とも当研究所に対しまして、末永いご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。
一般財団法人 静岡経済研究所
理事長 馬瀬 和人