コロナ禍を経て 変わる県民の消費行動
静岡経済研究所(理事長 一杉逸朗)では、静岡県民の消費に対する意識や行動がコロナ禍でどのように変わっていくのかを明らかにするため、アンケート調査を実施しましたので、その結果をお知らせします。
【アンケート調査概要】
調査対象:静岡県民1,030名
調査時期:2020年5月27日、28日
調査手法:インターネットによるアンケート
<回答者の属性>
年齢・性別/20歳代、30歳代、40歳代、50歳代、60歳以上の男女各10%
職業/公務員・会社員47.7%、パート・アルバイト16.9%、自営業・自由業6.0%、経営者・役員1.4%、専業主婦(夫)13.7%、無職10.3%、その他4.1%
世帯年収/400万円未満25.5%、400-600万円未満21.2%、600-800万円未満14.2%、800-1,000万円未満8.2%、1,000万円以上6.3%、わからない11.7%、無回答13.1%
1.コロナ禍による収入・支出の変化
<今後も県民の4割が収入の減少を懸念、家計も一段の引き締め傾向>
コロナ流行前と比べて現在は、4割超の人が「収入が減少」と回答、今後についてもこの傾向は変わらない。とりわけ深刻なのが『自営業・自由業』『パート・アルバイト』。家計の”引き締め派”(やや引き締め+かなり引き締め)は現在の47.2%から今後49.5%へと増加、節約志向が着実に高まっている。
2.コロナ禍収束後の消費意向(感染流行前との比較)
<スポーツ、テーマパークで高い利用意向、密集型の飲食は敬遠気味>
〇買い物・・・食品などの生活必需品以外の『嗜好品の購入』、日常的に利用されるショッピングセンターなど『大型商業施設での購入』は、コロナ流行前と「同程度」利用するとの回答が大勢を占めた一方で、「減らす」が各16.0%、18.2%と慎重な回答も少なくない。とくに『大型商業施設での購入』では、感染がいったん収束した後も抵抗を感じそうだと回答した人が半数を超えた。
〇飲食・・・『外食』では22.6%が「減らす」と回答。『友人や仕事仲間などとの飲み会』や『ビュッフェ、バイキング』も消極的なスタンスがみられる。『接待を伴う飲食』では、利用に抵抗感があるとの割合が7割近くを占め、『大人数の宴会やパーティー』では76.7%に達する。
〇趣味・娯楽・・・実施率が高い『テーマパーク、遊園地、動植物園』や『映画館』、『スポーツ』をはじめ、ほとんどで「増やす」が「減らす」を上回った。ただし『コンサート、ライブ』や『フィットネス、ジム』など屋内で人が密集するタイプには抵抗感が強い。
3.コロナ禍収束後の旅行意向(コロナ流行前との比較)
<旅行は近場が中心、海外や大人数での移動には強い抵抗感>
〇地域別・・・『県内の旅行』に抵抗を感じるとの回答は42.3%あったが、8割近くが実施する意向があり、17.9%の人が旅行機会を「増やす」としている。また、『県外への旅行』では抵抗感が67.0%まで高まるが、実施率は8割を超え、「増やす」も19.0%となった。一方、『海外への旅行』では抵抗感が81.7%ときわめて強く、実施率(33.2%)も低い。
〇手段別・・・『マイカーによる旅行』(実施率75.0%)では抵抗感が25.9%と低くとどまり、「増やす」という人は2割を超えた。一方で、『バスツアー』や『クルーズ船ツアー』に対する抵抗感はそれぞれ74.8%、78.6%と強く、コロナ禍収束後も速やかに利用客を増やすことは難しいそうである。
SERI Monthly7月号(6月末発刊予定)では、「感染リスクや感染防止対策の影響に関する不安」や「家庭内の備蓄状況」「衛生意識の変化」、「今後のネット利用意向」なども含めた詳細な調査内容を掲載します。
※本件のお問い合せ先 研究部 川島