静岡県内の企業経営者が見通す「2020年」
静岡経済研究所(理事長 一杉逸朗)では、11月にアンケート調査「県内経営者が見通す2020年」※を実施しましたので、その結果の概要をお知らせします。
(1)新年(2020年)の景気について
■景気悪化見通しが色濃くなる
静岡県内の主要企業経営者に2020年の景気見通しを聞いたところ、「悪くなる」(3.6%)、「やや悪くなる」(29.3%)が合わせて32.9%となり、「良くなる」(1.8%)、「やや良くなる」(16.6%)を合わせた18.4%を大きく上回った。
昨年調査と比べると、「(やや)悪くなる」が10ポイント近く増加し(前年:計23.3%)、景気悪化見通しが色濃くなっている。
(2)消費税率引上げの影響
■駆け込み需要、反動減とも限定的
2019年10月の消費増税の影響について聞いたところ、駆け込み需要の発生と増税後の反動減は、ともに「ほとんど発生しなかった」とする回答が7割前後となった。年内の影響は限定的だったといえる。
(3)五輪特需について
■”特需”は約3割
県内業界に五輪特需が出ているかを聞いたところ、「現在・今後とも出そうにない」(62.8%)との回答が過半数を占めたが、建設業などで「特需あったがすでに終息」(8.8%)、「特需のピークにある」(1.2%)といった動きがみられる。また、運輸業や小売業、サービス業を中心に「開催までには出そう」(10.9%)、「開催中には出そう」(6.6%)と見込む経営者も一定数いる。
(4)10年後の2030年に向け、静岡県の持続的成長に重要な取組み
■「若年層の県内定着」が最重要との指摘
2030年に向けて、静岡県が持続的に成長するためには何が重要かを聞いたところ、『人口減少対策』では「若年層の県内定着」79.8が上位に挙がった。このほか、『企業の経営革新』では「デジタル革新への対応」63.4、『地域インフラの強化』では「防災対策の強化」59.5、『地域を支える人材』では「地域人材の確保・育成」63.1が上位を占めた。