加速するEVシフトに対応する県内自動車部品メーカー
-「静岡県の自動車部品メーカーの動向に関するアンケート調査」結果 –
<要旨>
■昨年来、EVシフト(自動車の電動化の動き)が注目されている。自動車産業は静岡県の主力産業であることから、県内自動車部品メーカーを対象に、EVシフトに関するアンケート調査を実施し、実際の影響や今後の対応方針を探った。
■4割以上の経営者が「予測よりも早くEVシフトが進行する」とみており、6割超が「危機感」を感じている。EVシフトを「チャンス」と捉えているのは14.0%にとどまる。
■自動車の電動化や次世代自動車技術の進展によって、新たな部品需要が生み出されると見込まれるが、現状、関連部品を取り扱ったり、開発したりしている県内部品メーカーは少ない。
■今後については、「本業強化のほか自動車以外の分野に積極的に進出」が半数超を占め、「健康・医療産業」や「産業機械・建設機械」「ロボット産業」などへの進出意向が強い。
■県内部品メーカーには、軽量化などEVでも必須とされる技術を磨き続けるとともに、自社の保有技術を再認識し、提案力を強化することが求められる。この4月に浜松地域イノベーション推進機構が開所した「次世代自動車センター」(浜松市)を中心に、産官学金が連携して、この大転換期を乗り越えていくことが期待される。